ビタミンの不足・摂りすぎはどうなる?効果的に摂るには?

  1. ビタミンは体にいいから摂りすぎても大丈夫?
  2. そもそもビタミンとは
    1. 水溶性ビタミンと脂溶性ビタミン
  3. 摂りすぎに注意すべきビタミンとは
  4. それぞれのビタミンのはたらきと1日の摂取量
  5. ビタミンの不足&とりすぎ/多く含む食材/効果的な摂り方
    1. ビタミンA
      1. ビタミンAが不足した場合
      2. ビタミンAを摂りすぎた場合
      3. ビタミンAを多く含む食材
      4. 効果的なビタミンAの摂取方法
    2. ビタミンD
      1. ビタミンDが不足した場合
      2. ビタミンDを摂りすぎた場合
      3. ビタミンDを多く含む食材
      4. 効果的なビタミンDの摂取方法
    3. ビタミンE
      1. ビタミンEが不足した場合
      2. ビタミンEを摂りすぎた場合
      3. ビタミンEを多く含む食材
      4. 効果的なビタミンEの摂取方法
    4. ビタミンK
      1. ビタミンKが不足した場合
      2. ビタミンKを摂りすぎた場合
      3. ビタミンKを多く含む食材
      4. 効果的なビタミンKの摂取方法
    5. ビタミンB1
      1. ビタミンB1が不足した場合
      2. ビタミンB1を摂りすぎた場合
      3. ビタミンB1を多く含む食材
      4. 効果的なビタミンB1の摂取方法
    6. ビタミンB2
      1. ビタミンB2が不足した場合
      2. ビタミンB2を摂りすぎた場合
      3. ビタミンB2を多く含む食材
      4. 効果的なビタミンB2の摂取方法
    7. ナイアシン
      1. ナイアシンが不足した場合
      2. ナイアシンを摂りすぎた場合
      3. ナイアシンを多く含む食材
      4. 効果的なナイアシンの摂取方法
    8. ビタミンB6
      1. ビタミンB6が不足した場合
      2. ビタミンB6を摂りすぎた場合
      3. ビタミンB6を多く含む食材
      4. 効果的なビタミンB6の摂取方法
    9. ビタミンB12
      1. ビタミンB12が不足した場合
      2. ビタミンB12を摂りすぎた場合
      3. ビタミンB12を多く含む食材
      4. 効果的なビタミンB12の摂取方法
    10. 葉酸
      1. 葉酸が不足した場合
      2. 葉酸を摂りすぎた場合
      3. 葉酸を多く含む食材
      4. 効果的な葉酸の摂取方法
    11. パントテン酸
      1. パントテン酸が不足した場合
      2. パントテン酸を摂りすぎた場合
      3. パントテン酸を多く含む食材
      4. 効果的なパントテン酸の摂取方法
    12. ビオチン
      1. ビオチンが不足した場合
      2. ビオチンを摂りすぎた場合
      3. ビオチンを多く含む食材
      4. 効果的なビオチンの摂取方法
    13. ビタミンC
      1. ビタミンCが不足した場合
      2. ビタミンCを摂りすぎた場合
      3. ビタミンCを多く含む食材
      4. 効果的なビタミンCの摂取方法
  6. まとめ

ビタミンは体にいいから摂りすぎても大丈夫?

「ビタミン」といえば体にいいイメージが強いですよね。
ビタミンは不足したら体に悪い影響が出る、ということは知っている人は多いでしょう。
摂れば摂るほど体によい、と思っている人もいるのではないでしょうか?

じつは、その考え方は危険です。
ビタミンの中には摂りすぎるとかえって健康を損ねるものもあるからです。

今回の記事では

・そもそもビタミンとは何か
・摂りすぎには注意すべきビタミンとは
・それぞれのビタミンのはたらき
・ビタミン毎の一日の目安摂取量
・ビタミンが不足&とりすぎはどうなるのか
・どのような食品にどのようなビタミンが多く含まれているのか
・効果的なビタミンの摂り方

を解説します。

・ビタミンの不足&摂りすぎでどうなるのか知りたい人
・普段ビタミン剤等を服用していて、摂りすぎていないか心配な人
・効果的なビタミン摂取方法を知りたい方
・美容や健康のためにビタミンについて知識を深めたい人

にぜひ読んでいただきたいと思います。

※今回の記事は食品成分最新ガイド 栄養素の通になる第4版を参考にして書いています。
本にはもっと詳しいことが書いてありますし、栄養に関する豆知識もたくさん書かれていて大変勉強になります。

気になった方はぜひ読んでみてください。

そもそもビタミンとは

ビタミンとは、正常な発育や活動のためにごく微量だが必要となる栄養素です。
人間が生きていくために必要なビタミンは13種類知られていますが、それぞれのビタミンは違った働きを持っています。

ビタミンには、体内の化学反応を進める酵素を助ける「補酵素」としての機能を持つものが多いです。
炭水化物やタンパク質、脂質からエネルギーを取り出す反応に必要な酵素や、DNAの合成に必要な酵素などを助けています。

ビタミンは体内では作り出すことができず、作れたとしても充分な量ではありません。
そのため、私たちは食べ物からビタミンを摂取しなければなりません。

水溶性ビタミンと脂溶性ビタミン

ビタミンは、水と油どちらかになじみやすいかで分類することができます。
水になじみやすいビタミンは水溶性ビタミン、油になじみやすいビタミンは脂溶性ビタミンと言います。

私たちが生きていくうえで必要なビタミン13種類を水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分るすると以下のようになります。

脂溶性ビタミン(油になじみやすい)水溶性ビタミン(水になじみやすい)
ビタミンA、ビタミンD、
ビタミンE、ビタミンK
ビタミンB1(チアミン)、
ビタミンB2(リボフラビン)、
ナイアシン、ビタミンB6、
ビタミンB12(コバラミン)、
葉酸、パントテン酸、ビオチン、
ビタミンC

摂りすぎに注意すべきビタミンとは

先ほど、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあることを書きましたが、水溶性ビタミンは過剰に摂取しても尿に排泄されることが多いため、比較的過剰症が少ないと言われています。
ただし、全く過剰症が見られないわけではないので、過剰摂取には注意が必要です。

一方脂溶性ビタミンは過剰に摂取すると体内に蓄積されてしまうため、過剰症が見られる場合があります。
特にビタミンAビタミンDは、食事だけでも耐容上限量(健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限)を超える可能性があり、過剰症も報告されているため注意が必要です。

なお、耐容上限量は、1か月の平均など「習慣的に摂取した場合」を基準として設定されており、一日くらいであれば超えてしまっても問題ありません

それぞれのビタミンのはたらきと1日の摂取量

私たちが生きていくために必要な13種類のビタミンのはたらき、1日の目安摂取量、耐容上限量(設定されているものだけ)は以下の通りです。

ビタミンの種類 はらたき 1日の目安摂取量 耐容上限量
脂溶性
ビタミン
ビタミンA 皮膚や粘膜を正常な状態に保つ。
目の網膜で光を受け取るタンパク質「ロドプシン」の成分になる。
抗酸化作用を持つ。

900㎍RAE※1
(成人男性)
700㎍RAE※1
(成人女性)

2700
(㎍RAE)
(成人男性、成人女性)
ビタミンD 小腸からのカルシウムの吸収を促す。
骨からカルシウムを溶かして、血液中のカルシウム濃度を高くする。
5.5㎍
(成人男性、
成人女性)
100㎍
(成人男性、
成人女性)
ビタミンE 抗酸化作用を持つ。
毛細血管を拡張させる。
6.5㎍
(成人男性)
6.0㎍
(成人女性)

900㎍
(成人男性)
700㎍
(成人女性)

ビタミンK 止血する。
骨からカルシウムが溶け出すことを抑える。
150㎍
(成人男性、
成人女性)

水溶性
ビタミン

ビタミンB1 炭水化物からエネルギーを取り出す反応を助ける。
神経の機能を正常に保つ。
1.4mg
(成人男性)
1.1mg
(成人女性)
ビタミンB2 炭水化物、タンパク質、脂質からエネルギーを取り出す反応を助ける。
抗酸化作用を持つ。
1.6mg
(成人男性)
1.2mg
(成人女性)
ナイアシン 炭水化物、タンパク質、脂質からエネルギーを取り出す反応を助ける。
アルコールの分解を助ける。

15mgNE※2
(成人男性)
12mgNE※2
(成人女性)

350mgNE※2
(成人男性)
250mgNE※2
(成人女性)
ビタミンB6 タンパク質の分解と再合成を助ける。
神経に情報を伝える物質や酸素を運ぶ分子の成分であるヘムの合成を助ける。
1.4mg
(成人男性)
1.2mg
(成人女性)
60mg
(成人男性)
45mg
(成人女性)
ビタミンB12 DNAの合成を助ける。 2.4mg
(成人男性、
成人女性)
葉酸 DNAの合成を助ける。造血を助ける。 240㎍
(成人男性、
成人女性)
1000㎍
(成人男性、
成人女性)
パントテン酸 炭水化物、タンパク質、脂質からエネルギーを取り出す反応を助ける。
ホルモンや善玉コレステロールの合成を助ける。
5mg
(成人男性、
成人女性)
ビオチン 炭水化物、タンパク質、脂質からエネルギーを取り出す反応を助ける。
皮膚の炎症を起こす物質の排泄を助ける。
50㎍
(成人男性、
成人女性)
ビタミンC コラーゲンの合成を助ける。
抗酸化作用を持つ。
腸内での鉄の吸収を助ける。
ホルモンの合成を助ける。
100mg
(成人男性、
成人女性)

※1:㎍RAEはレチノール活性当量のことで、以下の計算式から計算する。
㎍RAE=レチノール(㎍)+1/12 βカロテン(㎍)+1/24 αカロテン(㎍)+1/24 βクリプトチキサンチン(㎍)
※2:NEはナイアシン当量のことで、以下の計算式から計算する。
mgNE=ナイアシン(mg)+1/60トリプトファン(mg)

ビタミンの不足&とりすぎ/多く含む食材/効果的な摂り方

では、13種類のビタミンが不足した場合、摂りすぎた場合どうなるのでしょうか?
また、どのような食材に多く含まれているのでしょうか?
そして、どのように摂取すれば効率よく摂れるのでしょうか?
各ビタミン毎に見ていきましょう!

ビタミンA

ビタミンAが不足した場合

乳幼児で不足した場合は、目が異常に乾燥する角膜乾燥症が起こり、病状が進行すれば失明することもあります。
成人で不足すると、暗い場所での視力が低下する夜盲症になります。
皮膚や粘膜が乾燥して弱くなり、感染症にかかりやすくなります。
成長期では、骨や神経が十分に発達できない等の成長障害が起こります。

ビタミンAを摂りすぎた場合

頭痛脱毛筋肉痛などが起こることが知られています。
妊娠中に摂りすぎると、胎児に奇形が起こることがあると報告されています。

ビタミンAを多く含む食材

食品名アンコウの肝豚レバー鶏レバーにんじん(皮つき)モロヘイヤ
100g中の量8300㎍13000㎍14000㎍720㎍840㎍

※成人男性の目安摂取量:900㎍RAE 耐容上限量:2700㎍RAE

効果的なビタミンAの摂取方法

ビタミンAは油脂に溶けやすい性質の脂溶性ビタミンなので、いためたりして油と一緒に摂取すると効率よく摂取することができます。
なお、水洗いなどによってビタミンAが失われる心配はありません。

ビタミンD

ビタミンDが不足した場合

乳幼児で不足した場合は骨の成長が悪くなり、クル病になることがあり、成人で不足した場合は骨軟化症になることがあります。どちらも背中や胸、足など体中の骨が変形して曲がってしまう病気で
閉経後の女性や高齢者の場合には骨粗しょう症の原因になることがあります。ビタミンDが不足するとカルシウムの吸収・代謝が悪くなるからです。

ビタミンDを摂りすぎた場合

血液中のカルシウム濃度が上昇すると、全身倦怠感食欲不振嘔吐などを起こすことがあります。
また、血管壁や内臓に不必要なカルシウムを沈着させて腎不全などの重篤な臓器障害を起こすこともあります。

ビタミンDを多く含む食材

食品名アンコウの肝マイワシ白サケ乾燥きくらげ干しシイタケ
100g中の量110.0㎍32.0㎍32.0㎍85.4㎍12.7㎍

※成人男性の目安摂取量:5.5㎍ 耐容上限量:100㎍

効果的なビタミンDの摂取方法

油脂に溶けやすい脂溶性ビタミンであるため、水洗いなどで栄養素が失われる心配はありません。
また、熱や酸素の影響も比較的受けにくいので、加熱調理や酸化による栄養素の損失も少ないです。

ビタミンE

ビタミンEが不足した場合

長期にわたって不足した場合は、赤血球の膜が酸化して壊れやすくなることで、溶結性貧血の原因になります。
また、動脈硬化等多くの生活習慣病老化のリスクを高めます。
女性の場合は、不妊流産のリスクが高まると言われています。

ビタミンEを摂りすぎた場合

脂溶性ビタミンの中では過剰症が起きにくく、耐容上限量を守れば大量にとっても心配ありません。
耐容上限量を超えて摂取すると出血の危険性があるため、ワーファリンなどの抗凝固薬を服用している人は特に注意が必要です。
また、筋力低下疲労吐き気下痢なども報告されています。

ビタミンEを多く含む食材

食品名ひまわり油アーモンドトラウトサーモン西洋カボチャモロヘイヤ
100g中の量38.7mg29.4mg5.5mg4.9mg6.5mg

※成人男性の目安摂取量:6.5mg 耐容上限量:900mg

効果的なビタミンEの摂取方法

脂溶性ビタミンなので、油料理と一緒に摂取すると効率よく吸収されます。
また、ビタミンCやカロテノイド等の他の抗酸化成分と一緒にとると、抗酸化作用が上がると言われております。

ビタミンK

ビタミンKが不足した場合

ビタミンKは腸内細菌からも作られるので、不足する心配はまずありません
ただし、長期間抗生物質を使用していたㇼ、肝臓に障害がある場合は不足する心配があります。
不足すると、血液を凝固する物質が減少して出血しやすくなり、止血しにくくなります。
また、骨に充分なカルシウムが取り込まれず、骨がもろくなります。

ビタミンKを摂りすぎた場合

食事から摂る分には摂りすぎることはなく、市販のビタミン剤にもビタミンKはおおむね含まれていないので、ビタミン剤を飲んでいても摂りすぎる心配はありません
ただし、ワーファリン等の抗凝固薬を飲んでいる人は、薬の効き目を妨げないようにビタミンKの摂取を控えるように指示されます。

ビタミンKを多く含む食材

食品名納豆モロヘイヤあしたば乾燥カットわかめ
100g中の量600㎍640㎍500㎍1600㎍

※成人男性の目安摂取量:150㎍

効果的なビタミンKの摂取方法

脂溶性ビタミンなので、水洗いなどで損失する心配はありません。
加熱の影響は受けにくいですが、光やアルカリでは壊れやすい性質があります。

ビタミンB1

ビタミンB1が不足した場合

糖質をエネルギーに変えることができなくなるので、乳酸などの疲労物質が溜まり、疲れやすくなるうえ、糖質が体脂肪になりやすくなります。
慢性的に不足した場合は、脚気(かっけ)と呼ばれる病気を引き起こします。脚気になると、食欲不振や疲労感が見られたのち、手足のしびれやむくみ、動悸などが起こり、重症化すると心不全で死に至ることもあります。
慢性的に不足して中枢神経に障害が起こるとウェルニッケ脳症になります。ウェルニッケ脳症は眼球の運動麻痺、意識障害を特徴とし、進行すると昏睡に陥りますが、アルコール摂取量の多い人に起こりやすいと言われています。

ビタミンB1を摂りすぎた場合

必要以上に摂りすぎても排泄されるため、摂りすぎの心配は基本的にはありません
ただし毎日摂りすぎが続くと、頭痛いらだち不眠皮膚炎などの症状を引き起こすことが報告されています。

ビタミンB1を多く含む食材

食品名豚ヒレ肉豚もも肉ウナギのかば焼きタラコ大豆玄米ご飯
100g中の量1.32mg0.96mg0.75mg0.71mg0.17mg0.16mg

※成人男性の目安摂取量:1.4mg

効果的なビタミンB1の摂取方法

玉ねぎやニンニクなどアリシンを含む食品と摂取することで、ビタミンB1が血液中に長く留まり、長時間にわたって利用できるようになるため、効果的です。
逆に、生の貝類や甲殻類、淡水魚などにはアノイリナーゼと呼ばれるビタミンB1を分解する酵素が含まれているため、注意が必要です。ただし、この酵素は加熱により活性がなくなります。
ビタミンB1は水溶性ビタミンのため、調理によって損失しやすく、特に熱とアルカリには不安定で分解しやすくなります。

ビタミンB2

ビタミンB2が不足した場合

肌荒れニキビ髪のトラブル、口角炎や口唇炎といった口まわりのトラブル眼精疲労などが見られます。
成長期の子供で慢性的に不足すると、エネルギー代謝に支障が出て、成長障害を起こすこともあります。

ビタミンB2を摂りすぎた場合

必要以上に摂りすぎても排泄されるため、摂りすぎの心配は基本的にはありません
逆に体の組織や器官内に貯蔵することもできません

ビタミンB2を多く含む食材

食品名豚レバー牛レバーウナギのかば焼き鶏卵納豆
100g中の量3.60mg3.00mg0.74mg0.43mg0.56mg

※成人男性の目安摂取量:1.6mg

効果的なビタミンB2の摂取方法

水溶性ビタミンですが、熱には比較的安定した成分です。
ただし、光によっては分解されやすい性質があります。

ナイアシン

ナイアシンが不足した場合

ナイアシン自体の摂取が少なくても、タンパク質(トリプトファン)を十分に摂っていればいれば、ナイアシンを合成できるので、日本では通常欠乏することはありません
慢性的に不足した場合は、皮膚病や下痢、頭痛や認知症などを症状とするペラグラという病気になります。
日本ではペラグラ患者はほとんどいませんが、十分な食事を摂らずに大量のアルコールを飲むと、ナイアシンが不足するため、アルコール依存症の人では欠乏症が見られることがあります

ナイアシンを摂りすぎた場合

日常の食生活で摂りすぎる心配はありません。
大量に摂ると皮膚が赤くなることがありますが、一過性のもので健康上悪影響を及ぼすものではありません。
また、大量に摂りすぎると、下痢や便秘などの消化器症状肝臓障害が現れることもあります。

ナイアシンを多く含む食材

食品名カツオクロマグロ(赤身)タラコ豚レバー鶏ささみ
100g中の量19.0mg14.2mg49.5mg14.0mg11.8mg

※成人男性の目安摂取量:15mgNE 耐容上限量:350mgNE

効果的なナイアシンの摂取方法

水溶性ビタミンですが、熱や酸、アルカリ、光などに対して比較的安定したビタミンです。

ビタミンB6

ビタミンB6が不足した場合

神経障害皮膚炎になることが知られています。
その他、貧血や脂肪肝、口内炎、不眠症なども欠乏症として報告されていますが、通常の食事で欠乏することがあまりないので、実のところはあまりわかっていません。

ビタミンB6を摂りすぎた場合

食物から摂る場合には、過剰の害の報告はありません。
ただし、ピリドキシンを1日数gずつ数か月にわたって摂取すると、手足のしびれなどの感覚神経障害が見られることが報告されています。

ビタミンB6を多く含む食材

食品名クロマグロ(赤身)カツオ牛レバー鶏ささみバナナ
100g中の量0.85mg0.76mg0.89mg0.60mg0.38mg

※成人男性の目安摂取量:1.4mg 耐容上限量:60mg

効果的なビタミンB6の摂取方法

水溶性ビタミンですが、熱には比較的安定した成分です。
光によっては分解されやすい性質があります。

ビタミンB12

ビタミンB12が不足した場合

腸内細菌によっても作られ、肝臓に大量に蓄えることができるため、胃が健康な人は欠乏することはありませんが、中高齢者等胃液の分泌が減っていると、ビタミンB12の吸収率が低下しているため欠乏に注意する必要があります。
不足すると赤血球が正常に作られず、巨赤芽球性貧血(悪性貧血)と呼ばれる貧血の原因になります。
また、血液中でホモシステインというアミノ酸が増え、動脈硬化の引き金になるほか、神経障害が起こることも知られています。

ビタミンB12を摂りすぎた場合

過剰の害は報告されていません。
過剰に摂った場合も、ビタミンB12の吸収に必要な成分の供給が間に合わないため、吸収されません。

ビタミンB12を多く含む食材

食品名赤貝アサリ牛レバー鶏レバー豚レバー
100g中の量59.2㎍52.4㎍52.8㎍44.4㎍25.2㎍

※成人男性の目安摂取量:2.4mg

効果的なビタミンB12の摂取方法

動物性食品にしか含まれないビタミンなので、不足しにくい栄養素でありますが、長期間植物性食品しか食べない場合は不足に注意しなければなりません。
光や空気によって酸化しますので、食品を密閉保存するようにしましょう。
熱には比較的安定した成分です。

葉酸

葉酸が不足した場合

通常の食生活で不足することはありませんが、不足すると赤血球が正常に作られず、巨赤芽球性貧血(悪性貧血)と呼ばれる貧血の原因になります。
また、血液中でホモシステインというアミノ酸が増え、動脈硬化の引き金になることも知られています。
妊娠のごく初期に不足すると、胎児の神経管閉鎖障害の危険性が高まると言われています。

葉酸を摂りすぎた場合

食物から摂る場合には、過剰の害の報告はありません。
合成の葉酸であるプテロイルモノグルタミン酸を大量に投与すると、発熱や蕁麻疹などの発生が報告されています。

葉酸を多く含む食材

食品名牛レバー鶏レバー豚レバー菜の花枝豆
100g中の量1000㎍1300㎍810㎍340㎍260㎍

※成人男性の目安摂取量:240㎍ 耐容上限量:1000㎍

効果的な葉酸の摂取方法

水溶性ビタミンで、茹でるなどの調理で損失しやすい栄養素です。
「日本食品標準成分表2015年版」によると、芽キャベツやモロヘイヤは9割ほどに、菜の花やブロッコリーは6割ほどに、モロヘイヤは3割前後に減ります。

パントテン酸

パントテン酸が不足した場合

幅広い食品に含まれているため、欠乏症はほとんど見られません。
欠乏したとしても、パントテン酸が不足している場合、他の栄養素も不足している場合がほとんどのため、パントテン酸の欠乏症かどうかを見分けるのは困難です。
ニワトリやラットを用いた実験では、パントテン酸のみを欠乏させた場合、皮膚炎や羽毛・体毛の障害、副腎の機能不全などが確認されています。

パントテン酸を摂りすぎた場合

摂りすぎによる健康障害は今のところ知られていません。

パントテン酸を多く含む食材

食品名子持ガレイ鶏レバー豚レバーひらたけ納豆
100g中の量2.41mg10.10mg7.19mg2.40mg3.60mg

※成人男性の目安摂取量:5mg

効果的なパントテン酸の摂取方法

水溶性ビタミンで、茹でるなどの調理で損失しやすい栄養素です。
「日本食品標準成分表2015年版」によると、モロヘイヤでは4割前後に減ります。

ビオチン

ビオチンが不足した場合

腸内細菌によっても合成されるため、欠乏症が現れることはまずありません
ただし抗生剤の多用や長期間の下痢などで腸内細菌のバランスが崩れると、ビオチンの産生量が少なくなることがあるため、不足する可能性があります。
欠乏症としては皮膚炎が知られており、ビオチンの吸収を妨げるタンパク質の一種アビジン生の卵白に多く含まれる)を大量に摂取した場合に発症することがあります。
皮膚炎の他にも脱毛結膜炎なども現れます。

ビオチンを摂りすぎた場合

食事から摂りすぎる心配はありません。
ビオチンは医薬品としても使用されていますが、過剰摂取による健康被害も報告されていません

ビオチンを多く含む食材

食品名鶏レバー豚レバー牛レバー鶏卵卵黄
100g中の量232.4㎍79.6㎍79.1㎍25.4㎍65.0㎍

※成人男性の目安摂取量:50㎍

効果的なビオチンの摂取方法

水溶性ビタミンですが、食品中ではタンパク質と結合した形で存在しているので、分解されにくく、こわれにくいビタミンです。
生の卵白などに含まれるアビジンを大量に摂取すると、ビオチンの吸収が阻害されるので、注意が必要です。

ビタミンC

ビタミンCが不足した場合

コラーゲンが充分に生成されなくなることで、毛細血管の結合組織が弱くなり、出血がとまらなくなる壊血病を引き起こします。
壊血病まで至らない場合も、歯ぐきからの出血が起こりやすくなったりします。

ビタミンCを摂りすぎた場合

日常生活で摂りすぎることはありませんが、サプリメントなどで1日3~4g以上摂取すると一過性の下痢を起こすことがあります。
腎機能障害があると、腎シュウ酸結石のリスクが高まることが報告されています。

ビタミンCを多く含む食材

食品名赤ピーマン芽キャベツ黄ピーマンブロッコリーキウイフルーツ
100g中の量170mg160mg150mg120mg140mg

※成人男性の目安摂取量:100mg

効果的なビタミンCの摂取方法

水に溶け、光や空気の影響も受けやすいので、調理による影響が非常に大きいビタミンです。
例えば、菜の花は茹でることでビタミンCが約1/3になってしまいます。

まとめ

今回の記事では

・そもそもビタミンとは何か
・摂りすぎには注意すべきビタミンとは
・それぞれのビタミンのはたらき
・ビタミン毎の一日の目安摂取量
・ビタミンが不足&とりすぎはどうなるのか
・どのような食品にどのようなビタミンが多く含まれているのか
・効果的なビタミンの摂り方

を紹介しました。

この記事で学んだことをダイエットや美肌、健康の維持に活用いただけると嬉しいです。

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